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〜刺し子とは〜

 昔、木綿や麻布は大変貴重なものでした。
その貴重な布をできるだけ長く使うため、(下)の写真のように破れた部分の継ぎはぎをするときに糸を刺して補強したり、(左)の写真のように、カヤ布の目を塞ぐように刺して風を通さないようにしたり、さらに布を重ね合わせて糸を刺すことで、より暖かい衣類にしようと考えたのが刺し子のはじまりだと言われています。

 それらの刺し子は、日本各地の農村、漁村、山村などの生活必需品として、それぞれの地に適した形で伝えられてきたのです。

 人々は乏しい布や糸を使い、ただ単に必需品としてではなく、繕いをしながらその中に自分たちの自然や季節感などを文様として取り入れました。
  そして、刺す人が一針一針に願いを込めた衣類や風呂敷、雑巾、布巾などとなって伝えられてきたのです。